星野保「菌世界紀行」

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[2016年2月21日追記]
“あなたも雪腐病菌のファンに” という見出しで、2016年2月21日(日)朝日新聞読書欄に本書が、高い評価で紹介されました。
ー以下朝日新聞読書欄から引用ー
「なじみのない菌類の世界と、研究者たちの奮闘ぶりを、楽しくわかりやすく紹介する好著。著者の菌類への愛が、読者の好奇心を刺激し、未知への扉を開けてくれる。著者自身が描いたイラストもいい味だし、隅々まで笑いと工夫に満ちている。」(評 三浦しおん、作家)
ー引用終わりー

菌世界紀行
星野保(2015年12月)
「菌世界紀行、誰も知らないきのこを追って」

岩波科学ライブラリー245、岩波書店
本体1,300円+税
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B6、132+3ページ、ペーパーバック、カバー付

「とにかく面白い!」この一言に尽きる本だ。
 “雪腐病菌”をご存じだろうか?雪の下に生きて、植物を枯らす植物病原菌の総称だ。分類学的には子のう菌や担子菌などの菌類のほか、卵菌類など菌類に含まれない生物群に属するものもある。著者は、世界でも数少ないこの雪腐病菌の研究者だ。しかも学位を水産系大学院でとったという異色の経歴の持ち主。

 本書は、この異色の研究者が“雪腐病菌”を求めて北極圏や南極に出かけた時のエピソードを中心に書かれた本だ。言葉づかいも異色で、楽しく面白く読み進めていくうちに、雪腐病菌とは何か、雪の下で生きてゆくために進化の過程でどんな仕掛けを獲得していったか、なども知らず知らずに学んでしまえる。

 どこを読んでも面白いが、変形菌好きの小生が特にひかれたのは、南極、昭和基地の汚水処理棟、沈殿分離装置に発生したアメーバ状の変形菌の変形体を、生きたまま日本に持ち帰るところだ。臭いにおいに同室の方から苦情が出たり、えさに困り、同行記者からふすま入りのシリアルを分けてもらったりなどの苦労を重ねてやっと日本に持ち帰った変形体が、世にもまれな珍種か新種かと思いきや、世界中どこにでも分布しているクダマキフクロホコリFurigo gyrosaだったのだ。ああ、やっぱり “変形菌はコスモポリタン!”。

「世界のかわいいきのこデザイン」

新刊!
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世界のかわいいきのこデザイン
飯沢耕太郎・北川公子(2015年2月)
注:まだ2月になっていませんが、本の奥書には2016年2月1日発行とあります。
「世界のかわいいきのこデザイン」 DU BOOKS、本体1,800円+税
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A6、109ページ、ペーパーバック、カバー付
「よくもこれだけきのこ関連グッズを集めたね!」とういうのが第一印象だ。
本書は、きのこグッズの中でも切手、絵葉書、レコードやCDのジャケット、ポチ袋などきのこが描かれた紙製品のコレクションを集めたものだ。

なかでも驚いたのは、駅弁として売られていたのであろう「松茸めし」、「椎茸めし」、「南部栗茸べんとう」などと書かれた弁当の包み紙だ。「松茸めし」の包み紙をよく見ると、「広島駅弁当株式会社、¥100」と書かれている。松茸めしが100円で売られていたのか!もうひとつの「松茸めし」は、価格書かれていないが、中央線塩尻駅の株式会社カワカミ弁当部とある。「飛騨路名物松茸の釜飯」は、住所が読めないが向龍館というところの製造で価格は200円だ。今はめったに食べられないマツタケもごく普通の食材だったのだ。

さらには、たくさんの「松茸狩り」のポースターがある。京阪電車、阪急電鉄、今はJRの国鉄鉄道局、今は近畿日本鉄道の路線になってしまった大阪鉄道など関西のものが多く、秋の松茸狩りが関西では秋の一大イベントだったことがうかがえる。
他にも興味深い紙製品が多くあり、きのこ好きにはお勧めの1冊だ。

石狩砂丘と砂浜のきのこ

とうとう在庫がなくなりました。もう入荷はありません。
石狩砂丘と砂浜のきのこ
本書は部数限定の自費出版物です。
竹橋誠司・星野保・糟谷大河(2012)
「石狩砂丘と砂浜のきのこ」

NPO法人北方菌類フォーラム
参考8%税込7,160円(本体6630円+税)、送料360円(レターパック)、
絶版、入手不可
(18.4x25.7cm、14+216ページ、原色写真・図、顕微鏡図多数、ソフトカバー
北海道石狩砂丘に分布するきのこ(主にハラタケ類)を多くの生態写真・標本写真・顕微鏡図・顕微鏡写真をつけ詳細に記載・解説する。随所にあるコラム・エピソード・資料も読んで楽しく、また参考になる。
掲載種全てに生態写真・顕微鏡図を備え、記載文も詳しい理想のきのこ図鑑。全国規模のこんなきのこ図鑑が欲しい!

塩津孝博(2015年11月)「熊本県で観察されたきのこ」

紹介!
本書の入手については編者の塩津さんにお問合せ願います。
熊本で観察されたきのこ
塩津孝博編(2015)「熊本県で観察されたきのこ」
A4、214ページ、ペーパーバック
本書の入手については編者の塩津さんにお問合せ願います。

 「九州のきのこ」で美しいきのこ写真を提供された塩津孝博さんが、熊本県で採集・観察されたきのこの記録・報告とをまとめた「熊本県で観察されたきのこ」を2015年11月、出版された。
 1974年から2013年までの40年間に採集や観察されたきのこのデータを分類順にリスト化したものだ。データは、本郷図鑑の分類を採用し、分類順に和名、学名、採取年月日、採取場所・または熊本博物館登録番号の順に並ぶ。確実に同定された種だけを含むものではないと前記に注記されているが、合計1215種もの多くの種が載る。
 大変な労作で、熊本産きのこを知るための最重要文献だ。

新国(にっくに)みなみ「きのこくーちか-1-」

2015年新刊 
きのこくーちか きのこくーちか3 きのこくーちか2
(写真左から:表紙、第3編「ヤマブシタケ」からべにちゃんのきのこコスチューム、第5編「なめこ」から眺めのよい峠道での食事シーン、車は大作号)
新國(にっくに)みなみ(2015)
「きのこくーちか -1-」
*くーちかはロシア語で「仲間」という意味だそうだ。
8%税込800円、送料サービス、納期1週間(在庫)
 京都を舞台に、ルームシェアをしている20代後半のきのこアート作家、ゆん太と、ロシア雑貨店仕入担当の同年代、バツイチ・イケメンのロシア人、ワーニャの二人が織りなす、漫画で描かれたきのこがらみのスト-リー。
 表紙をめくるといきなりオニフスベのオープンサンドのお話だ。黒パンに挟んでオープンサンドにしたオニフスベは、味もなく、食感も皆無、スカスカで土臭く本当にまずいそうだ。
 しかし、店主にいわせれば、それは料理法が間違っているからだ。まだ中が白い幼菌を1cmほどの厚さに切り、パン粉をつけフライにすれば、これはもうはんぺんのフライと見まがう味・食感だ!どのくらい昔になったろうか?東京の西部、檜原村で行われた菌類懇話会の合宿で、F.Sさんが作ってくれた揚げたてアツアツのオニスベフライの味が忘れられない!F.Sさんお元気ですか?よかったらメールください!
 本書監修者は国立科学博物館の保坂健太郎先生。取材協力者の一人にきのこ写真家の大作晃一氏。大作氏は、愛車大作号で作者たちをナメコ採集に案内し、ナメコ料理をふるまったそうだ。第5編「なめこ」のお話のもとになった。

大舘一夫:春夏秋冬街のきのこ散歩

新刊紹介!
街のきのこ散歩 街のきのこ散歩2 街のきのこ散歩3

大舘一夫(2015/9月) 「春夏秋冬街のきのこ散歩」、八坂書房
8%税込定価1,728円(本体1600円)、送料サービス、納期:1週間(在庫)
 さあ、本書を携え、きのこウオッチングに出かけよう! 
 著者は、「都会のきのこ、身近なきのこウオッチングのすすめ」(初版2004、改訂版2011)、「都会のキノコ図鑑」(2007)と市街地の公園など身近な場所に発生するきのこを対象としたわかりやすい解説書を書いてきた。
 今回出版の本書は、身近にきのこと出会うヒントを、春夏秋冬の四季別に37の話題を設け、わかりやすく解説する。話題に関連するたくさんの美しい写真や図を眺めながら読んでいると、まるで自分がきのこウオッチングに出かけているような気持になる。郊外に出なくても街の中の公園でもいろんなきのこに出会うことができる。

 余談だが、この八坂書房は、佐野の好奇心を引くたくさんの本を出版している出版社だ。新刊の案内には読んでみたいと思う本がいっぱいだ。
 たとえば、「花見と桜、〈日本的なるもの〉再考」、民俗学者宮本常一の 「宮本常一座談録 生活と文化」(同じ著者の「聞書 忘れえぬ歳月〈西日本編〉 」もある)など。「アンリ・ルソー」、「愉しい干潟学」も面白そうだ。「悩ましい翻訳語 」、「昆虫食文化事典」も楽しそうだ。 昆虫食といえば、初めて知ったことだが、昭和天皇はハチの子料理をお好きだったそうだ。
 もちろん「きのこミュージアム 」は、朝日新聞[時代を読むこの3冊]に選ばれた秀逸な書だ。
 インターネット上の出版案内をぜひご覧いただきた。

森のきのこたち

申し訳ありません。在庫切れ中です。
マツタケを採りたいと願っている方には、大変お勧めの一冊!
森のきのこたち
柴田尚(2006) 「森のきのこたち-種類と生態-」、八坂書房
8%税込定価2,160円 (税別定価2,000円)、在庫切れ中
A5、197ページ+索引9ページ、ペーパーバック、カバー付
 山梨県森林総合研究所に勤務する著者(農学博士)が、富士山や八ヶ岳、それに秩父山地西部など本州中央部の亜高山帯の針葉樹林に発生するきのこの生態を、著者長年の研究成果をもとに解説する。
 前半は、亜高山帯のきのこ100種の発生環境・特徴などを生態写真付きで解説する。シラカバなどに発生するベニテングタケやブナ科の広葉樹林に発生するタマゴタケが、亜高山帯ではシラビソやオオシラビソ林に発生することが本書でわかる。佐野は富士山で見つけた傘が大きく開いた巨大なオオモミタケに感動したことがあるが、本種が日本に産する大型きのこの代表格の一つとして紹介されている。
 後半は、著者が長年にわたり取り組んでいる亜高山帯のきのこの生態についてわかりやすく解説する。目次をひろってみると次の通り。
2 「富士山のきのこ」、富士山のマツタケ他
3 「八ヶ岳の亜高山帯針葉樹林ときのこ」、八ヶ岳のマツタケ他
4 「秩父山地西部の亜高山帯針葉樹林ときのこ」、奥秩父のマツタケ他
5 「きのこと共にある亜高山帯の森林」
6 「きのこと気象」、温度ときのこ、雨ときのこ
7 「きのこを通して森を見る」、環境変化ときのこ
 三地域のマツタケ発生の特徴が書かれている。富士山や八ヶ岳のマツタケは有名だが、簡単には採れなそうだ。それに比べ、秩父山地西部の金峰山や瑞牆山のマツタケは発生が安定しており、マツタケ採りにはよさそうだ。何時がよいかは、第6章を読めば大体の見当がつく。
マツタケを採りたいと願っている方には、大変お勧めの一冊!

新装改版北海道きのこ図鑑

762種ものきのこを約1000点の原色写真をつけ解説する。
新装改版北海道きのこ図鑑
高橋郁雄(2012)新装改版北海道きのこ図鑑」 亜瑠西社
8%税込定価 3,024円(税別定価2800円)、送料サービス、納期1週間(在庫1冊
A5判、364ページ、ほぼ全ページ原色写真ページ。ペーパーバック、ビニールカバー付。
 北海道産きのこ合計762種を約1000点の写真で解説する。2007年の旧版から40点以上の写真を差し替え・修正し、さらに最新の菌根菌等の情報を取り入れた。
 きのこの配列は針葉樹編:カラマツ林、トウヒ林、マツ林、モミ林、各種針葉樹林、広葉樹編:コナラ林、シラカンバ林、ニレ林、ブナ林、モクレン林、ポプラ・ヤナギ林、各種広葉樹林、針・広混交林編、草地・その他編、と発生環境別に解説。林業関係者にも参考になるようヒダナシタケ類184種のほか、樹病菌も豊富にのせる。 
 762種の内訳は、ハラタケ類433種、ヒダナシタケ類184種、子のう菌類84種、腹菌類27種、キクラゲ類20種、さび菌類10種、不完全菌類4種。

キノコ・カビの研究史 

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“奇妙な形と生態に惹かれた人々!有史以来の人と菌類の関わりがこの一冊に”
“菌類関係者必読の基本書の一つ!”
きのこカビの研究史
G・C・エインズワース/小川 眞 訳(2010)
『キノコ・カビの研究史 人が菌類を知るまで』

京都大学学術出版会
8%税込定価4,320円(税別定価4000円)、送料サービス、納期約1週 (在庫1冊
14.6x21.4cm。408ページ。
 本書は、版を重ねている G.C. Ainsworth 『Introduction to the History of Mycology』(菌類学の歴史概説)、Cambridge University Press の日本語訳だ。 
「我が国では大勢の先人たちの努力にもかかわらず、未同定種の多さからだけでも、菌学はまだ「未科学」の状態にあるといわざるを得ない。これから研究を志す若い世代に、この領域にはまだ無数の課題と無限の可能性が残されれていることを伝えたいと願って、ー略ー本書の翻訳を試みた。」(訳者あとがきから)

改訂昆虫病原菌の検索

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“冬虫夏草など虫寄生菌に興味を持つ方は必携”
昆虫病原菌の検索
青木襄児 (2003) 「改訂昆虫病原菌の検索」  全国農村教育協会 
8%税込定価4,860円(税別定価4500円)、送料サービス、納期1週間(在庫2冊) 
日本語。A5版。323ページ。ソフトバック。カバー付。 
 冬虫夏草属を含む昆虫やクモに寄生する菌類全般について解説する。種まで同定可能な検索表が主体。子のう菌や不完全菌類だけでなく鞭毛菌類、接合菌類など広範囲な虫寄生菌を取り上げる。虫寄生菌類の全体像を知るために冬虫夏草に興味を持つアマチュアの方々にもぜひ読んでもらいたい。
 1849年、著者が自費出版した「昆虫病原菌の検索」の改訂版。第1章総論は、虫寄生菌が菌類分類体系に占める位置の説明、および属までの検索表。第2章は本書のメインの章で、鞭毛菌類、接合菌類、子のう菌、および不完全菌類の4つの菌群の虫寄生菌の種までの詳細な検索表。必要に応じ顕微鏡図がつく。第3章は、「寄生昆虫の種類と寄生菌種との関係」と題する虫の分類群別の寄生菌リスト。第4章は、菌のフルネームの学名、およびその異名のリスト。冬虫夏草属に多い学名未記載種については和名を載せる。
 なお、冬虫夏草属については、次の文献で、遺伝子分析に基づき、新設の科や属への移行と学名の新組合せが広範囲に提案されたので留意する必要がある。
Studies in Mycology No. 57, Sung, Gi-Ho, Nigel L. Hywel-Jones, Jae-Mo Sung, J. Jennifer Luangsa-ard, Bhushan Shrestha & Joseph W. Spatafora (2007), Phylogenetic classification of Cordyceps and the clavicipitaceous fungi (冬虫夏草属およびバッカクキン様菌類の系統分類)  
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