FC2ブログ

「日本産ハルシメジ類は少なくとも9種の未記載種を含む」

先日あった日本菌学会第63回大会で興味を引いた発表(1)。ご参考まで。
内容は講演要旨集からで、佐野の責任で短くまとめてあります。
(佐野は、問題があるのは承知の上で、「種=species」と呼べるのは生殖隔離が存在する分類群=生物学的種のみであり、そうでない分類群は亜種・変種・品種・分子種・形態種などと呼ぶべきと考えているので、発表内容に忠実でないところがある)

「日本産ハルシメジ類は少なくとも9種の未記載種を含む」
研究者:宍倉愛実(鳥取大院持続性)ほか
前提:
日本産ハルシメジ類には12の形態型が知られている。
調査対象標本:
E. clypeatum var. defibulatumのタイプ標本(オーストリアGranz大学標本庫から借用)および
全国から収集したNolamnidea節に属する標本。
分析:
形態学的・分子系統学的・生態学的に解析した。
分子系統学的にはrDNA ITS領域を分析した。
結果:
(1)次の9系統群が見つかった。
(2)これら系統群と宿主植物の分類群との間には相関関係があることがわかった。
系統1:宿主ウメ(スモモ亜属)、形態的には欧州産E. sepiumと合致するが、クレード内に欧州産E. sepiumの配列を含まない。
系統2:宿主サクラ(サクラ亜属)、形態的には欧州産E. sepiumと合致するが、クレード内に欧州産E. sepiumの配列を含まない。
系統3:宿主ナナカマド属、形態学的にE. clypeatum var. defibulatumのタイプ標本と一致するが、同種とするには再検討する必要がある。
系統4:宿主サクラ、形態学的に一致する種がない。
系統5:宿主サクラ、形態学的に一致する種がない。
系統6:宿主ナシ連、形態学的にE. clypeatumと合致するが、クレード内に欧州産E. clypeatumの配列を含まない、しかも初冬にも発生。
系統7:宿主バラ属、国内産E. clypeatum f. hybridumの配列と同一クレードを形成し、形態学的にも本品種(forma)と同じ。
系統8:宿主ニレ科、欧州産E. saundersiiと姉妹群だが形態学的に区別できる。
系統9:宿主ニレ科、国内産E. aprileと同じ配列を含むが、クレード内に欧州産E. aprileの配列を含まない。形態学的には国内産E. aprileと合致する。
以上
2013年10月8日からの訪問者数
プロフィール

佐野書店 佐野悦三

最近の記事
ブログ内検索
カテゴリー
月別アーカイブ
リンク
RSSフィード