2005年9月文献案内

2005年9月25日に発表したもの。
2005年分は目次スペース節約のため2007年2月のブログに集約。
A_Monograph_of_Clavaria_and_Allied_Genera.jpg
1.新紹介” Corner, E.J.H. (オリジナル1950、復刻版2005)
A Monograph of Clavaria and Allied Genera
(シロソウメンタケ属およびその関連属モノグラフ) 

価格 24,950円(税込み、送料別)
納期 2週間 
(ホウキタケの仲間を知りたい方には必携)
英語。17.0x24.5cm。740ページ+16原色図版。ハードバック。カバー付き。
ホウキタケ類研究に必須であるにもかかわらず、古本でも入手が難しかった本書が復刻された。
本書はコーナー先生が1925年にホウキタケ型きのこの研究を始めてからの20年余りの成果をまとめたモノグラフ。
先生は、顕微鏡的菌糸構造を元に分類するという考え方を元に、ホウキタケ型きのこの既存の分類に大鉈を振るった。属が細かく分けられる一方、多くの種がシノニムとして整理された。その結果、属は27属に分けられ、実物で確認した種180種と文献だけで確認した360種の合計540種がホウキタケ型きのことして認められた。また、「ホウキタケ型きのこは多系統である」との現代にも通じる考えから、属以上の上位分類群はあえて設けられていない。遺伝子分析など便利な手法のない当時にあって、ホウキタケ型きのこの分類を進化の系統をたどる自然分類に可能な限り近づけたいという努力をされたコーナー先生に敬意を表したい。
池田良幸(2005)北陸のきのこ図鑑には「ホウキタケ科の分類は世界的に流動的で、国内産既知種も類似種が次々と現れ、混乱状態である」と書かれている。しかし、8月文献案内で紹介したLegon, N.W. & A. Henrici (2005)Checklist of the British & Irish Basidiomycota (イギリスとアイルランド産担子菌門チェックリスト)(キュー植物園)のように、ヨーロッパ各地では、既存の標本や文献にあたり、その地域の菌類の多様性を記録・保存していく活動が、ホウキタケ類も含め着実に行われているのが実情である。こまかな形態の違いに目を奪われ混乱し、種分類を放棄した日本のホウキタケ分類の現状は悲しい。

Supplement_to_A_Monograph_of_Clavaria.jpg
1-2. “再紹介” Corner, E.J.H. (オリジナル1970 、復刻版2005)
Supplement to “A Monograph of Clavaria and Allied Genera”
(シロソウメンタケ属およびその関連属モノグラフ 続編)

Beihefte Zur Nova Hedwigia Heft 33  
(ホウキタケ型菌に興味を持つ方は必携) 
価格 12,605円
納期 2週間 (在庫僅少、在庫切れの場合10-12週間)
英語。16.0x23.5cm。298ページ+白黒図版4。本文内に線画63。ハードバック。カバー付き。
番号1の1950年発行のモノグラフでは種として認めた540種のうち実物で確認した種は180種にとどまった。その後、研究環境の改善により、多くのタイプ標本を検討することが可能になり、標本もさらに集まったので、これらから得られた新知見を元に、この続編が出版された。本書では科が新たに設けられ、検索表も一新された。

Genera_of_Endogonales.jpg
2.“新紹介“Yao,Y.-J., D.N. Pegler & T.W.K. Young (1996)
Genera of Endgonales
(エンドゴウン目の属)

Royal Botanic Gardens, Kew  
価格 6,560円(税込み、送料別) 
納期 2週間 (地下生菌に興味ある方は必携)
英語。15.5x24.8cm。229ページ、うち白黒図版29ページ。ソフトバック。
エンドゴウン目は、「Pea Truffles」(豆トリュフ)と呼ばれる小さな球形の子実体を地中の浅いところ、もしくは地面すれすれのところにつくる。本書は、このエンドゴウン目の包括的解説書で、地下生菌に興味ある方には必携の文献である。
本書は、まずエンドゴウン目研究史を解説し、エンドゴウン目およびエンドゴウン科を再定義し、この科に含まれる9属への検索表2つを提供する。各論部では9属にわたる種を詳細解説し、既知種のタイプ標本を詳細検討し再記載する。巻末には、29ページにわたる走査電顕と光学顕微鏡による顕微鏡写真がある。
日本では出川洋介博士(神奈川県立生命の星.地球博物館)が本菌群の専門家であり、新種記載もしている。標本が採集できたら彼に教えを請うのもよい。  
なお、本書の扱うエンドゴウン目は、接合胞子をつくることから接合菌類(門)(Zygomycota)と呼ぶ菌群に属する。しかし、分子系統解析の結果、接合菌類は多系統・側系統のものが混在することが分かり、エンドゴウン目を門に格上げし、エンドゴウン門(Endogomycota)とする考え方も出てきた。

3.***佐野書店ベストセラー***池田良幸(2005)「北陸のきのこ図鑑」*** 
引き続き注文受付中。

価格 15,000円(税込み、送料サービス) 
納期 最大2週間(在庫)。
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佐野書店 佐野悦三

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