Persoonia Vol. 28, June 2012

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「Persoonia Vol. 28, June 2012」
National Herbarium Nederland, Leiden University Branch
参考本体7,040円+税、在庫切れ
英語、A4、184ページ
 第28巻2012年6月号が出版元、オランダ国立博物館ライデン大学分館から到着した。
11の論文・記事が掲載されているが、中でも注目は折原貴道さん(当時鳥取大学院、現神奈川県立生命の星・地球博物館 )が第1著者の28ページに及ぶ次の論文だ。
T. Orihara, M.E. Smith, N. Shimomura, K. Iwase & N. Maekawa
「Diversity and systematics of the sequestrate genus Octaviania in Japan: two new subgenera and eleven new species」
(日本の地下生属、ホシミノタマタケ属*の多様性と系統分類、2新亜属と11新種)

Persoonia 28, 2012: 85-112 
      *折原さんから“Octaviania”は“ホシミノタマタケ属”に変更(2008年日本菌学会
        第52回大会)されているとのご指摘がありました。“ジャガイモタケ属”の名は
        “Heliogaster”に充てられた。
 たくさんの日本国内、および世界のホシミノタマタケ属の標本を遺伝子分析し、その結果にジーンバンクに登録された遺伝子情報も加え系統解析し、さらに標本の形態形質も検討し、ホシミノタマタケ属に二つの新亜属を設け、日本産標本に11新種を認めた。
 日本産の地下生菌の多くは新種ではなかろうかという問題提起がなされていたが、本論文はその疑問にホシミノタマタケ属について明確な回答を与えたものとなった。
 本論文の成立は、折原さんの熱心で粘り強い遺伝子分析の取組みと緻密な観察眼があったことはもちろんだが、ホシミノタマタケ属標本や産地情報を提供したたくさんの協力者 ーその多くはきのこ好きのアマチュアの人たち- があったがこそである。研究者とアマチュアの協力の結果がこの論文に結実したといっても過言ではない。既に論文の別刷りを持っていたが、雑誌の中に収まった本論文を見ると、あらためてこのことを再認識させられる。
 本号の表紙写真は、折原さんが大分県で撮影した新種 Octabiania decimae。
 折原さんが菌類懇話会に入会された時はまだ高校生であった。川崎市立青少年科学館で開催される月例会で初めてお会いした。その折原さんが世界有数の菌学雑誌に論文を投稿されるまでになられたことに古くからの会員として感慨を覚える*。 *米国菌学会誌”MYCOLOGIA”にも以前、折原さんの別のホシミノタマタケ属の論文が掲載された。
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