2005年8月文献案内

2005年8月29日に発表したもの。
2005年分は目次スペース節約のため2007年2月のブログに集約。
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1.“新紹介”Legon, N.W. & A. Henrici (2005)
Checklist of the British & Irish Basidiomycota
(イギリスとアイルランド産担子菌門チェックリスト)
  
Royal Botanic Gardens, Kew (キュー植物園発行)
価格 8,670円(税込み、送料別) 
納期 2週間(追加分到着済)
英語。21x30cm。534ページ。ペーパバック。
菌類をもっと知りたいと思いながらも、情報の海に溺れかけている人、反対に情報の砂漠をさ迷っている人にとって、まさに救助隊に救われた思いになる待望の参考書である。
学名は、研究の進展とともに、他の種と同一種であることが分かったり、ひとつの種が分けられたり、さらには属が変わったりなどして、変更されることが多い。その結果、今、どの学名が有効なのか迷うことが頻繁に出てくる。そのような時、本書を参照すれば、迷いがいっぺんに解決する。
本書は、イギリスとアイルランド産に限られてはいるが、担子菌門の菌類を対象に、現在の有効学名とその著者名・文献名・発表年、シノニムなどに加えて、その種の発生環境、発生基質、参考にすべき記載文や図版のある文献名などを網羅した優れものである。
文献に現れた16500の名前から、有効名として担子菌綱約3177種・亜種、サビキン綱約342種・亜種、クロボキン綱151種・亜種、合計約3670種・亜種を載せる。標本にもあたっており、信頼性は高い。
今度は、全世界に産する菌類を網羅したものを、分類群ごとでよいから出版して欲しいものだ。

Fungi_Down_Under.jpg
2.“新紹介”Grey, P.M. & E. Grey (2005)
Fungi Down Under: the Fungimap Guide to Australian Fungi
(地球の反対側の菌類:オーストラリアの菌類ガイド) 
 
価格 3,100円(税込み、送料別)
納期 2週間

英語。15x21cm。146ページ。原色図版多数。分布図多数。ペーパーバック。
オーストラリアで100種のキノコの分布を調査しようというFugimap(ファンジャイマップ)というプロジェクトがある。事務局を首都にある国立メルボルン植物園に置き、オーストラリア中のたくさんのキノコ愛好家がボランティアで協力している。
本書は調査対象の100種のキノコを一般の人でも容易に同定できるよう、美しい原色写真と分布図とでわかりやすく解説した図鑑である。
100種のキノコは、かさのあるキノコや腹菌類、硬質菌、子のう菌などの中から、オーストラリアを代表するもので、しかも野外で普通に見られる種類から選ばれている。もっともフウセンタケ属のCortinarius symeae、テングタケ属のAmanita austroviridis、多孔菌のFlabellophora superpositaなどのように、これまでに1・2回しか発生記録がない珍しいものもある。
珍菌以外の興味深い種には、カゴタケの仲間の2種、クチベニタケの仲間の2種、内陸の砂漠地帯にのみ産する腹菌のPodaxis 属とSchizostoma属の各1種、 タスマニア島のみに産し、ほぼ地下性菌化したClaustula属の1種などのほか、写真家の伊沢さんがワギナタケと呼んだ周りに剛毛をはやした肉ピンク色のチャワンタケCookeina属の1種がある。もちろんミナミブナに発生し食用にもなる有名なキッタリア属の1種もある。

20050829004051.jpg
3.“新紹介” Halling, Roy E. & Gregory M. Muller (2005)
Common Mushrooms of the Talamannca Mountains, Costa Rica
(コスタリカ、タラマンカ山脈の一般的なきのこ

Memoirs of the New York Botanical Garden Vol. 90
The New York BotanicalGarden (ニューヨーク植物園発行)
価格 4,260円(税込み、送料別)
納期 2週間

(テングタケ属やイグチの仲間に興味を持つ方には必携)
英語。27x23.5cm。195ページ。原色図多数。スパイラルバウンド。
タラマンカ山脈は中米、コスタリカ中部にある長さ300kmにわたる山脈である。3千メートル級の山々があり、標高2000メートルまでは熱帯雨林、2000メートルから3000メートルはコナラ属が優先する冷涼多湿な熱帯山地林になっている。
本書は、この熱帯山地林に産する菌根菌を中心に10科101種を美麗な原色写真とともに詳細に解説する。掲載種数は少ないが、検索表もあり、本格的な図鑑の体裁になっている。
菌根菌は67種に及び、イグチの仲間(26種)やテングタケ属(8種)、キツネタケ属(6種)が多い。common=一般的・普通の、と題されているが、Amanita conara, A. costaricensis, A. talamancae, Leccinum monticola, L. neotropicalis, L. talamancaeなど、多くは特産種である。一方、Xerula hispidaなど、特産種として発表されたが、後に東アジアにも分布することがわかった種も載っている。

DictionaryOfFungi.jpg
4.“再紹介“Ainthworth and Bisby's Dictionary of the Fungi, 9th Edition
価格13,640円(2007年3月24現在。税込み、送料別)。納期 2週間
通称ディクショナリイ オブ ファンジャイと呼ばれる菌類愛好家必携の菌学辞典。スイス菌類図鑑をお持ちの方は本書をぜひ備えていただきたい。

Hokuriku_no_Kinoko_Zukan.jpg
池田良幸(2005)「北陸のきのこ図鑑」価格15,000円(税込み、送料サービス)も引き続き注文を受付中です。ただし、自費出版のため限られた印刷部数の本書を、できるだけ多くの方に持っていただきたいので、お一人様注文部数を2冊までに制限させていただいています。

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