2007-08

ネパールのきのこ

“2007年8月23日から大幅値下げしました”
本書は佐野書店の援助により出版が可能になりました。

Mushrooms_of_Nepal.jpg
Dr. Mahesh Kummar Adhikari(2000)
MUSHROOMS OF NEPAL
(ネパールのきのこ)

新価格 2,400円(税込み、送料サービス)(旧価格4,400円)
納期:2週間(在庫)
英語。236ページ、うちカラー図版10ページ。ソフトバック。14x21cm。
著者はネパールGodavaryの国立植物園の上席研究官。1996年フランスPaul Sabatier 大学から,担子菌類(特にベニタケ科)の生物多様性テーマで学位を取得した。80以上の論文を書いている。
本書は著者の研究の集大成で,子嚢菌98種(うち新種2),担子菌508種(うち新種32)を記録する。著者が得意とするAmanita, Lactarius, Russulaに関しては検索表がつく。ネパールの菌類の研究史,菌類の民俗学,菌類の地理分布等に付いも書かれている。
ネパールは緯度が日本の南西諸島と同じだが,高度は55 m〜8850 mと差が大きく,熱帯性の菌から高山性の菌まで,非常に多様な菌類が記録されていることが本書からわかる。

2007年8月文献案内

紙版を菌類懇話会の機関紙 「菌懇会通信」 8月19日号に載せています。
ご注文は、書籍名、部数、お名前、郵便番号・ご住所(送付先が異なる場合は送付先も)、お電話番号を明記の上、電子メール、ファックス、または郵便で下記にお送り願います。
   電子メール:e_sano@d2.dion.ne.jp  ファックス:043-489-7178
   郵便:285-0843 千葉県佐倉市中志津4-16-19 佐野書店

1.“新紹介”
青木襄児 (2003) 「改訂昆虫病原菌の検索」
 
全国農村教育協会 (冬虫夏草など虫寄生菌に興味を持つ方は必携)
価格 4,725円(税込み、送料サービス) 納期2週間(在庫) 
出版部数少なし!絶版になる可能性あり。
日本語。A5版。323ページ。ソフトバック。カバー付。 
 冬虫夏草属を含む昆虫やクモに寄生する菌類全般について解説する。種まで同定可能な検索表が主体。子のう菌や不完全菌類だけでなく鞭毛菌類、接合菌類など広範囲な虫寄生菌を取り上げる。虫寄生菌類の全体像を知るために冬虫夏草に興味を持つアマチュアの方々にもぜひ読んでもらいたい。
 1849年、著者が自費出版した「昆虫病原菌の検索」の改訂版。第1章総論は、虫寄生菌が菌類分類体系に占める位置の説明、および属までの検索表。第2章は本書のメインの章で、鞭毛菌類、接合菌類、子のう菌、および不完全菌類の4つの菌群の虫寄生菌の種までの詳細な検索表。必要に応じ顕微鏡図がつく。第3章は、「寄生昆虫の種類と寄生菌種との関係」と題する虫の分類群別の寄生菌リスト。第4章は、菌のフルネームの学名、およびその異名のリスト。冬虫夏草属に多い学名未記載種については和名を載せる。
 なお、冬虫夏草属については、次の番号2の文献で、遺伝子分析に基づき、新設の科や属への移行と学名の新組合せが広範囲に提案されたので留意する必要がある。

2.“月例の文献案内で初紹介” (佐野書店ブログで紹介済)
Sung, Gi-Ho, Nigel L. Hywel-Jones, Jae-Mo Sung, J. Jennifer Luangsa-ard, Bhushan Shrestha & Joseph W. Spatafora (2007)
Phylogenetic classification of Cordyceps and the clavicipitaceous fungi
(冬虫夏草属およびバッカクキン様菌類の系統分類)
Studies in Mycology No. 57  Centraalbureau voor Schimmelcultures (CBS)
価格8,900円(税込み、送料別) 納期 2週間(在庫)
英語。63ページ、うち冬虫夏草の原色写真2ページ、系統樹多数。
 冬虫夏草およびバッカクキンの仲間162分類群を遺伝子分析し、その結果、科では既存のClavicipitaceaeのほかにOphiocordcipitaceae、およびCordycipitaceaeの2新科を提案し、属では既存のCordycepsのほかにMetacordyceps、Elaphocordyceps,およびOphiocordycepsの3新属を提案する。これらの提案にもとづき、旧Cordyceps(冬虫夏草属)菌類に対し、多数の新組合せ名を提案する。冬虫夏草属菌関係者には見逃せない文献。

3.“月例の文献案内で初紹介” (佐野書店ブログで紹介済)
小林享夫(2007)
「日本産樹木寄生菌目録ー宿主、分布および文献ー」
(Index of fungi inhabiting woody plants in Japan -Host, Distribution and Literature- )

全国農村教育協会。ただし著者の自費出版。出版部数わずか500部!すぐに絶版の可能性あり。
価格 10,500円(税込み、送料サービス)  納期 2週間(在庫) 
日本語。A4版。1227ページ。ペーパーバック。
 樹木寄生菌・樹木病原菌に関心を持つ研究者・技術者のための参考文献。樹木寄生菌3800余種の種名、宿主名、分布、およびその記録文献を網羅。
 1878年から2000年までの間に、日本産として木本植物上に記録された菌類3800余種(変種も含む)と属・種未同定菌800余種について、Abortiporus biennis からZythia sp.(+属種未同定菌3種)までをアルファベット順に列記し、それぞれ採録菌種名、宿主、国内分布(県単位)とその準拠する文献を1000ページ強にわたり掲載する。なお、異名、アナモルフまたはテレオモルフ、和名、病名のあるものは文献と共に加えられ、巻末には本文に付随する文献目録(約5500編)をabc順に110ページ、各種索引(同一宿主の属に記録された菌類の種の目録、本書に採録した宿主の学名と和名の対照表、採録文献の誌名と書名の英名と和名の対照表)などを備える(出版社の案内から若干改変の上引用)。

4.“再入荷“ 
Kirk, P.M., P.F. Cannon, J.C. David & J.A. Stalpers (Edit.)(2001)
Ainsworth & Bisby’s Dictionary of Fungi 9th edition (菌学辞典第9版)

在庫分の価格 14,470円(税込み、送料別) 納期:2週間(在庫)
英語。ハードバック。世界でもっとも権威のある菌学辞典。基本書中の基本書、ベストセラー。
 菌類を調べるにはまず第一番にこの辞典で調べてみよう。

学名要素語三カ国語リスト

“Koeltzの価格を入れました”
Three-Language_list_of_botanical_name_componentss.jpg
Radcliffe-Smith, A. (1998)
Three Language list of botanical name components
(植物学名の構成要素語三カ国語リスト)

Royal Botanic Gardens, Kew。
価格 3,710円(税込み、送料別) (Koeltz 23ユーロ)
納期 2週間(在庫)
(ギリシャ語まで載せる貴重な参考資料!菌類や植物の学名の意味を知りたい方にお勧め。学名を命名しようとする方には必携)
15.5x24.5cm。143ページ。ソフトバック  
学名はラテン語またはラテン語化された言葉を用い、普通、ラテン語またはギリシャ語から選ばれる。学名の新造に当たってはギリシャ語とラテン語の混用は避けねばならないが、両言語とも欧米人にとっても縁遠い存在のようで、本書が重宝されるゆえんとなっている。
本書は、学名を新造するにあたり両言語の混用を避けることを主目的に、さらに学名の意味を知りたいという人たちにも役立つように編纂された、学名の構成要素語の三ヶ国語(ラテン語・ギリシャ語・英語)対照リストである。メインリストに加え、1620の植物名を載せた植物名三ヶ国語リスト、数に関係する言葉を載せた数関連語三ヶ国語リストがつく。英語のblack(黒)はラテン語ではnigri-、ギリシャ語ではmelancho-またはmelano-といい、英語のoak(オーク)は、ラテン語ではquercus(コナラ属の学名に使用)、ギリシャ語ではdrysだそうだ。

担子菌門チェックリスト

“Koeltzの価格を入れました”
“再入荷:佐野書店ベストセラー”
Checklist_of_the_British__Irish_Basidiomycota.jpg
Legon, N.W. & A. Henrici (2005)
Checklist of the British & Irish Basidiomycota
(イギリスとアイルランド産担子菌門チェックリスト)  
Royal Botanic Gardens, Kew (キュー植物園発行)

価格 8,960円(税込み、送料別)   (Koeltz 49ユーロ)
納期 2週間 (在庫)
英語。21x30cm。534ページ。ペーパーバック。
本書は、イギリスとアイルランド産に限られてはいるが、担子菌門の菌類を対象に、現在の有効学名とその著者名・文献名・発表年、シノニムなどに加えて、その種の発生環境、発生基質、参考にすべき記載文や図版のある文献名などを網羅したリストである。
文献に現れた16,500の名前から、有効名として担子菌綱約3,177種・亜種、サビキン綱約342種・亜種、クロボキン綱151種・亜種、合計約3,670種・亜種を載せる。標本にもあたっている。
担子菌を調べるに当たっての基本書中の基本書であり、専門の研究者に限らずきのこを知りたい人にとっては必携の書である。

植物学名命名者リスト

“Koeltzの価格を入れました”
Authors_of_Plant_Namess.jpg
Brummit, R.K. & C.E. Powell (1992)
Authors of Plant Names
(植物学名命名者リスト)

価格:10,820円(税込み、送料別)  (Koeltz 62ユーロ)
納期:2週間(在庫)
英語。16x25cm。732ページ。ペーパーバック。
菌類、藻類、コケ植物、シダ植物、顕花植物など広義で植物に入れられていた生物(化石植物を含む)の学名命名者リスト。
命名者のフルネーム、生年・死亡年、どの生物群の命名者か、さらに論文などで引用する際の推奨短縮名が書かれている。日本の川村清一、今関六也、本郷次雄ほかの先生方も載っている。論文読んだり、書いたりする方には必携の文献。
なお、絶版になった「Authors of Fungal Names」(菌類学名命名者リスト)の内容は本書が完全にカバーしている。

顕微鏡観察マニュアル

“Koeltzの価格を入れました”
Manuale_di_Microscopia-ss.jpg
Basso, Maria Teresa (2005)
Manuale di Microscopia dei Funghi
(菌類の顕微鏡観察マニュアル)

価格 6,230円(税込み、送料別)  (Koeltz 38ユーロ)
納期 2週間(在庫)
(すでに顕微鏡で観察をしている方や、これから顕微鏡観察をしようとする方にお勧めの1冊)
イタリア語。17.5x25.0cm。303ページ。原色顕微鏡写真、白黒顕微鏡図多数。ハードバック。
著者は、845ページにのぼる大冊のチチタケ属モノグラフLactarius Pers. Fungi Europaei Vol. 7を書いたマリア・テレサ・バッソ女史。
本書は、きのこの顕微鏡観察について、何をどのように観察すればよいかを詳細に解説する。顕微鏡観察の歴史、顕微鏡の構造から始まり、切片の作り方、試薬の種類と成分、菌糸の形態と種類、トラマ(ひだの実質)の形態、胞子のさまざまな形態とその計測方法、シスチジアのさまざまな形態と分類群との関係などが解説されている。イタリア語は難しいが、多数の美しい原色顕微鏡写真が理解を助ける。
後半(239-295ページ)には、ダニエーレ・ウボルディ氏の「統計学の菌類学への応用入門」である。多数の胞子の計測結果を統計学的に処理して、その大きさやその他の特徴を数値で表する方法を、数式を駆使して解説している。
日本語のこのような解説書がほしいと思うのは筆者だけだろうか。

イグチ科の新属、Bothia

 最近到着した米国菌学会誌Mycologia Vol. 99 No.2, March-April 2007から興味を引いた論文その2。
その2.Boletaceae(イグチ科)の新属
 A new genus of Boletaceae from eastern North America
 Halling, Roy E., Timothy J. Baroni & Manfred Binder
 Mycologia, 99(2), 2007, pp 310-316
 
 C.H. Peckが記載した北米東部産のBoletinus castanellusを基準に、新属Bothiaが記載された。遺伝子分析の結果からも支持される。なお、遺伝子分析の結果は、Suillus(ヌメリイグチ属)と Xerocomus(アワタケ属)に入る可能性を支持していない。

光るきのこ

 米国菌学会誌Mycologia Vol. 99 No.2, March-April 2007が到着した。掲載論文の中にきのこ好きな私の興味をひいた論文が二つがあった。
その1.発光するMycena(クヌギタケ属)のきのこ
 Bioluminescent Mycena species from Sao Paul, Brazil
 Desjardin, Dennis E., Marina Capelari & Cassius Stevani
 Mycologia, 99(2), 2007, pp 317-331

 ブラジル、サンパウロの原生林で6種の発光するMycena(クヌギタケ属)が見つかり、うち2種が新種として記載された。同じ場所で発光クヌギタケ属が6種採集されたことに驚く。採集の方法も興味深い。ほとんど真っ暗闇の夜にぼんやり光る緑色の光をたよりに探すそうである。
 論文によれば発光するクヌギタケ属は世界で35種、うち2種は胞子だけが発光するそうだ。さらに著者たちは5種のPanellus(ワサビタケ属)のきのこが発光することを見つけた。ワサビタケ属は遺伝子分析の結果、広義のクヌギタケ属に入ることが2002年の論文で分かっている。発光するきのこは広義のクヌギタケ属に多いようだ。ほかにはツキヨタケやナラタケの仲間も発光することで知られ、さらにカヤタケ属、ヒラタケ属、ヒダサカズキタケ属のきのこにも発光する種があることが知られている(羽根田弥太(1985)発光生物)。
 日本でも暗闇の夜に探せばこのリストに載っている以外の光るきのこが見つかる可能性がありそうだ。その2.は明日(8月8日)

Agaricales in Modern Taxonomy

“Koeltzの価格を入れました”
Agaricales_in_Modern_Taxonomy.jpg
Singer, Rolf (1986)
Agaricales in Modern Taxonomy 4th revised edition

在庫限りの価格 19,800円(税込み、送料別) (Koeltz 123ユーロ)
納期 2週間(在庫)

英語。981ページ+88図版。ハードバック。
世界的に著名なキノコ分類の教科書。本郷先生が本書(正確には第3版)の分類体系を採用されたので、本書の分類システムが日本のキノコ分類の基準になった。日本できのこ分類を志すには必携の一冊。

Albert Ricken

“Koeltzの価格を入れました”
Die_Blatterpilze.jpg Die_Blatterpiltz2.jpg
Albert Ricken (オリジナル1915)(復刻版1980)
Die Blatterpilze (Agaricaceae)
(ハラタケ科図鑑)

価格 11,700円(税込み、送料別)(限定部数を販売)(Koeltz 58ユーロ)
納期 2週間 (在庫)
ドイツ語。16x23cm。目次24ページ+本文480ページ+原色図版112ページ。ハードバック。上質の外箱付き。
Albert Ricken(1851-1921)はドイツの大菌学者。Clitocybe grumata Rickenや、ホウキタケのRamaria botrytis (Pers.:Fr.)Rickenなどに名を残す。本書は、ドイツ産ハラタケ科1,412種を記載し、丁寧に描かれた原色図版で図示する。
オリジナルの出版は90年前の1915年、復刻版も出版されてから20年たち、出版元の在庫もほとんどない。オリジナルは本郷の井上書店で72,000円で売られていた。

カワウソタケ属概要

“Koeltzの価格を入れました” “2006年2月文献案内で紹介”
The_genus_Inonotus_Syn_Fungorum_21.jpg
Ryvarden, Leif (2005)
The genus Inonotus. A synopsis
(カワウソタケ属 概要) 

Synopsis Fungorum 21   
価格 6,030円(税込み、送料別) (Koeltz 36ユーロ)
納期 2週間(在庫)
英語。15.1x22.5cm。149ページ。線画多数。ペーパーバック。 
(カワウソタケ属同定のために必携)
Inonotus(カワウソタケ属)は、1年生、材上生で背着生・無柄、ないし有柄の白色腐朽の硬質菌の仲間。本書はカワウソタケ属の同定を目的に出版された。世界に産する101種を検索表を付け、詳細に解説する。うち10種は今回発表された新種、6種は新組合せである。約半数の種には顕微鏡図が付く。Ryvarden先生の他の著書と同様、外形写真や外形図がないのが残念。

地上性の腹菌類

“Koeltzの価格を入れました”
“はじめて見る不思議な腹菌をたくさん解説!腹菌や地下性・半地下性菌に興味をもつ方は必携”
GasteromicetiEpigei-ss.jpg
Sarasini M. (2005)
Gasteromiceti epigei
(地上性の腹菌類)

在庫限りの価格16,450円(税込み、送料別) (Koeltz 98ユーロ)
納期 2週間(在庫)、在庫切れの場合約3ヶ月
イタリア語。17.5x24.5cm。406ページ。原色外形写真・原色顕微鏡写真多数。ハードバック。
 本書は、ベストセラーの地下性菌図鑑Montecchi, A. & M. Sarasini (2000)「Funghi ipogei d’Europa」 (ヨーロッパの地下生菌)の姉妹図鑑。半地下性と地上性の腹菌類を多数の原色写真で詳細に解説する。
いわゆる典型的な腹菌類、Geastrum(21)、Bovista(12), Calvatia,(9),Lycoperdon(16), Scleroderma(7), Battarraea(1), Tulstoma(11)などだけでなく、半砂漠のChalamydopus(1)、スッポンタケ目の半地下性菌Phallogaster(1), 普通の柄があるがかさが開かないGaleropsis(2), Gyrophragmium(1), Rhodogaster(1), Endoptychum(1), Torrendia(1)、半地下性のSetchelliogaster(1)ほかの極めて珍しい腹菌が解説されており、大変興味深い図鑑となっている。
  ( )内:種数。(ここにあげた属名は本書で解説されている属の一部)
 互いに似た種が多い属には、検索表に加えて、星取り表形式の形質比較表をつくり、種の特徴が簡単につかめるようにしたことは大変よい。大いに理解を助ける写真を多用したのはよいが、言語がイタリア語だけなのが残念。

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