日本地下生菌研究会の会報「Truffology」の記念すべき第1巻

日本地下生菌研究会の会報「Truffology」の記念すべき第1巻がオンライン公開されました。

会のホームページからどなたでも無料でダウンロードできます。
トリュフなど地下生菌に興味のある方是非ご覧ください。

URL: http://jats-truffles.org/truffology/

イボセイヨウショウロの分類を再検討した論文


森林総合研究所九州支所の木下晃彦さんがイボセイヨウショウロの分類を再検討した論文を発表しました。
トリュフにご興味のある方は是非ご覧願います。(どなたでもご覧いただけます。)

URL: http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0193745

論文は英語で書かれているので、大意を木下さんご自身の日本語での説明を引用します。

ー以下引用ー

イボセイヨウショウロとされた日本の黒トリュフは、Tuber indicum の学名があてられ、1種と思われてきました。しかし2011年の私たちのDNA解析の結果、遺伝的に2つの系統があることがわかっていました。

この論文では、これら2つの系統と中国(T. indicum, T. himalayense)、台湾(T. formosanum)の標本の間で、形態、分子系統比較を行い、2種を明らかにし、1種を新種(Tuber longispinosum)、もう1種をTuber himalayense(日本新産)としました。

吉見先生によって命名されたイボセイヨウショウロの和名は、T. longispinosumの特徴と一致したため、こちらにあて、T. himalayenseには、アジア広汎な地域に分布することから、アジアクロセイヨウショウロという和名つけました。

特徴としては、T. longispinosumは他の近縁種(T. indicum, T. himalayense, T. formosanum)に比べ胞子の棘が長く、その基部も細いことが最大の特徴です。また交配型遺伝子を含むどの遺伝子で比較しても他の種とは明らかに異なることが分りました。

一方、T. indicumやT. himalayenseは、胞子上の装飾に「棘」と「網目」の両方有する個体が見られます。日本のT. himalayenseも同様で、この種は遺伝的にも、中国産、台湾のT. formosanumとは区別できませんでした。
詳しくは論文を見ていただければお分り頂けるかと思いますが、疑問点などございましたらご連絡いただければお答えいたします。

また、5月の菌学会でも発表予定ですので、機会がございましたら聴きに来ていただければ大変嬉しいです。

ー引用終わりー

なお、木下さんは「今後も、Tuberの標本など採取されることがあり、同定を必要とされるようでしたらご一報いただければ幸いです。」と標本の提供を希望されています。

トリュフの栽培、歴史、伝承、および科学

在庫がなくなりました。
“トリュフや地下性菌に興味のある方、また菌根性きのこ栽培に関心のある方にお勧め!”
Taming_the_Truffle.jpg
Hall, I.R., G. T. Brown & A.Zambonelli (2007)
「Taming The Truffle、 The History, Lore, and Science of the Ultimate Mushroom」
(トリュフの栽培、歴史、伝承、および科学) 
 
参考8%税込4,890円、送料180円、在庫切れ
英語。15.8x23.53cm。304ページ。本文中に原色写真。ハードカバー、カバー付。
 ヨーロッパではトリュフは食用きのこの中でも特に珍重される。ペリゴ-ド黒トリュフ(Perigord black truffle: Tuber melanosporum)やイタリア白トリュフ(Italian white truffle: T. magnatum)と呼ばれるブランドのトリュフは、日本人にとってのマツタケよりもはるかに貴重で高価なようだ。イタリア白トリュフが、赤ん坊の頭ほどある巨大なものであったが、「たった1個が高級乗用車1台の価格で取引された」とテレビ放映されたのを見たことがある。
 このように高価なトリュフであるから栽培の試みが熱心に続けられ、今ではフランス、イタリア、スペインなどのほか、ニュージーランド、オーストラリア、米国などでも、根に菌根を作らせた樹木を植栽する方法で行われている。しかし、菌根菌であるトリュフ菌に子実体を作らせることは大変難しく、本書によれば、フランスでは20年以上にわたり毎年40万本以上のトリュフ菌付き樹木が植栽されたにもかかわらず、多くのトリュフ園は栽培に成功せず、トリュフの生産量は顕著には増えていないそうだ。
 日本でもバイオ会社がマツタケの子実体原基の形成に成功し、きのこへの成長にあと一歩だと報道されたことがあった。本書にはマツタケやトリュフのような菌根性きのこのホスト植物なしの栽培研究について皮肉混じりに書かれた項目がある。世界最初にそれに成功したというカリフォルニアトリュフ会社は1991年倒産したそうだ。マツタケについての2001年の日本の研究発表にも皮肉交じりにコメントされており、読んでみると面白い。  
 本書には栽培以外にも、トリュフの人とのかかわりの歴史、生態、種の同定法などが解説され興味深い。特に“現地写真付き自生環境の解説”は日本の野生トリュフ採集に熱心な方々にも大変参考になるに違いない。  

Gasreromycetes Morphological and Developmental Featutres

販売終了
かつて腹菌類と呼ばれた菌類群に興味を持つ方には必携の文献。
Gasteromycetes.jpg
Orson K. Miller, Jr. & Hope H. Miller (1988)
「Gasreromycetes Morphological and Developmental Featutres with Keys to the Orders, Families, and Genera」
(腹菌類、形態学的および発生学的特徴と、目・科・属への検索表)

参考8%税込み価格3,950円、送料180円、販売終了
英語、148ページ、ペーパーバック、本文中に白黒図多数、ペーパーバック
腹菌類を解説した教科書として定評があった。系統分類の進展により解説は古くなった部分もあるが、子実体の外形図・断面図ととも示される形態に関する説明は、今後もずっと有用だ。

Truffles from China  (中国のトリュフ類)

入荷!
地下生菌に興味を持つ方には必携の図鑑。
Chinese_truffles.jpg
Liu Peigui (主編) (2016/8)
「Truffles from China (中国的块菌(松露))」(中国のトリュフ類)

科学出版社、中国、北京
8%税込み2,700円、送料180円、納期1週間(在庫
中国語、17.6x10.4㎝、130ページ、顕微鏡写真、原色写真多数、ソフトカバー
中国に産する地下生菌5科18属97種(変種等含む)を原色写真・顕微鏡図を使い詳細に解説するポケットサイズの図鑑。
そのうち、担子菌は9属25種、子嚢菌は9属72種。
冒頭に、中国語の未記載のTuber セイヨウショウロ属9種を含む全種の検索表が付く。

Tuber セイヨウショウロ属は62種を解説する。うち9種は中国名だけで学名のない未記載種として載せる。ただし未記載種であっても標本写真・顕微鏡図・写真は、他の学名つき種よりも詳しいほど。
主編者のLiu Peigui 先生をはじめ、10人の編集委員全員が昆明植物研究所に所属。

英国の腹菌類

“在庫切れ、お取り寄せ”
BritishPuffballsEarthstarss.jpg
Pegler, D.N. et al., (1995)
British Puffballs, Earthstars and Stinkhorns: an account of the British Gasteroid Fungi

参考8%税込み 6,640円、送料360円、“在庫切れ、お取り寄せ”(ご注文後:約8週間)
英国の地上性腹菌類図鑑。腹菌類だけをまとめた図鑑は、世界でも珍しく、腹菌類を知りたい方には必携。

地下生菌識別図鑑

日本初の地下生菌図鑑!
きのこに関心のある方には必携の図鑑!

佐々木廣海・木下晃彦・奈良一秀(2016年5月)
「地下生菌識別図鑑」、誠文堂新光社
詳細は次のURLご参照ください。
http://sanoshoten.blog13.fc2.com/blog-entry-1422.html

予告:True Truffle (Tuber Spp.) in the World

予告、新刊、2016年8月出版
True_Truffle_in_the_World.jpg
Zambonelli, Alessandra, Mirco Iotti & Claude Murat (2016/8)
「True Truffle (Tuber Spp.) in the World: Soil Ecology, Systematics and Biochemistry」
(世界の真性トリュフ(セイヨウショウロ属):土壌生態学、系統分類、生化学)
Soil Biology Volume: 47

価格:入荷時決定(お問い合わせ願います。商業出版社の出す専門書なので高いです)
納期:(約2か月、ご注文によりお取り寄せ)
英語、400ページ、原色図28、白黒図42、71原色図版、
経済的に重要なトリュフ属の分類学的多様性に焦点を当て解説する。
目次:
Part I Phylogeny
Part II The Abiotic Environment
Part III The Biotic Environment
Part IV Spore Dispersal
Part V Biochemistry

「Funghi Ipogei」 (地下生菌)

在庫切れ
新紹介、2015年出版
Funghi_Ipogei_Lariani20.jpg Funghi_Ipogei_Lariani21.jpg Funghi_Ipogei_Lariani22.jpg 
左から、表紙、Tuber aestivum・T..bellonae、T. .bellonae・T. borchii、
Funghi_Ipogei_Lariani23.jpg Funghi_Ipogei_Lariani24.jpg Funghi_Ipogei_Lariani26.jpg Funghi_Ipogei_Lariani27.jpg 
左からChamonixia caespitosa、Melanogaster variegatus・Alpova rubescens、 A. rubescens・A diplophloeus

Sarasini, M., A. Bincoletto & A. De Vito (2015)
「Funghi Ipogei - Catalogo illustrato delle specie della Brianza, dei territori Lariani e delle zone limitrofe」
(地下生菌:ブリアンツア、ラリアリおよびその近隣産の種の図鑑)

参考(8%税込み4,580円、送料170円)、在庫切れ中(納期ご注文後約2か月)
イタリア語、120ページ、原色写真180、ペーパーバック
イタリア北部、ミラノの北にあるBrianzaとその近隣地域の地下生菌80種を、原色生態写真と原色顕微鏡写真合計180枚ををつけ解説する。子嚢菌のTuber属やGenea属ほか42種、担子菌のGautieria属やRhizopogon属ほか35種に加え、接合菌のEndogone属1種、Glomus属2種などを原色生態写真・顕微鏡写真をつけ解説する。
分類は出版段階の最新の分類を採用
著者の一人Mario Sarasini、地下生菌基本書の「Funghi Ipogei d’Europa」(ヨーロッパの地下生菌)の著者の一人。
「Funghi Ipogei d’Europa」(ヨーロッパの地下生菌)は、こちら:
http://sanoshoten.blog13.fc2.com/blog-entry-34.html

Les truffes

Les_truffes.jpg Les_truffes4.jpg Les_truffes5.jpg
(上写真:左から表紙、Tuber indicum, T.himalayense/ T. pseudohimalayense. いずれもアジア産)
Flammer, Rene, Thomas Flammer & Peter Reil (2013)
「Les truffes: Manuel pratique pour l'expertise des espéces de truffes commercialisées」
(トリュフ:市場に出回るトリュフの実践的種の見分け方マニュアル)

IHW-Verlag
8%税込3,860円、送料164円、納期1週間(在庫)
フランス語、80ページ、原色生態写真・顕微鏡写真多数。
食用としてヨーロッパの市場に出回る、または出回る可能性のあるトリュフ11種、近縁種8種、合計19種を生態写真や断面写真、顕微鏡写真などを使い、詳細に記載し、類似種との見分け方を解説する。料理法なども載せる。
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